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Halloween ー影なる聖夜ー

第2章 出会い



「...で、俺に何か用が?」



「あ、えっと...用と言うかお願いというか...」



 彼女が目線を逸らしながらそう呟いている時に、軽やかだが大音量のメロディーが聞こえてきた。


 この街の中心にある大時計の音だろう。造られてから何十年も経っているあの時計は、今でも少しも狂わないで正確に時を刻み続けている。


 決められた時間に鳴り出すそれぞれの音が特徴的で、この街のシンボルマークの一つにもなっている。


 そして、今の音色は6時を報せるものだ。

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