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Halloween ー影なる聖夜ー

第5章 距離



 俺が...俺たちが一緒に撮った、数少ない写真。


「帆群(ほむら)...舞衣(まい)」


 幼い頃の俺と並んで写っている、気の弱そうな少女。


 そうー。確か近所に住んでいて、いつも一緒にいた記憶がある。泣いてばっかりで、俺が慰めないと泣き止まないことが何度もあった。


「...ん?」


 アルバムのページの間から、ひらりと一枚のメモ用紙が舞い落ちる。


 その丁寧な文字でつづられた文章に、俺は呼吸するのも忘れてしまっていた。

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