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ショタコイ

第1章 追憶

ましてや、宴はたけなわ。


始まって間もない頃ならまだしも、既に組み合わせが決まり始めている今、マサキがわざわざ席替えを申し出てきたことは、彩にとって少々理解し難かった。


「いやー俺ね、ずっと前から、彩ちゃんのこと狙ってたんだよ。」


マサキは、そう笑って、彩の薬指をピンっと弾いた。


マサキの人差し指の爪が、シルバーの指環に当たって、彩の薬指の付け根に、鈍い衝撃が伝わる。


「やーだ!その言い方、ストーカーみたい!」


彩は、はっちゃけたように笑い、手を引っ込めた。

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