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ショタコイ

第1章 追憶


「兄さん…の知り合い…って?」


彩は、手を引き離すこともなく、すぐ間近に迫ったマサキの顔を一瞥した。


1つ歳の離れた彩の兄、瀬川 律は、1浪して家から近い大学に通う、医大生だ。


彩が最後に会ったのは、つい先週の母の葬儀の時だった。


寝たきりの母を看取り、母の死に涙する男の姿に彩は、大きな衝撃を受け、激しく落胆した。


それは、彩にとっても、説明し難い複雑な感情であった。

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