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ショタコイ

第1章 追憶

元々、彩は母親と折り合いが悪く、高校生になってからは、親戚の家に下宿させてもらっていた。


彩の母は、数年前から彩を透明人間のように扱い、いつも兄側に期待をかけ、兄を慈しんでいた。


その状態は、彩にとっては“普通”であり、そんなことで兄を憎んだことは決してなかった。


だが、母の死に対するショックより遥かに、彼を見たことに衝撃を受けた彩は、その日から情けないほど無気力になってしまったのだった。


「彩ちゃんのお兄ちゃんと、高校生のときに知り合ったんだよ。意味、分かるよね?」


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