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ショタコイ

第2章 ああ、懐かしい彼を想う。

我に返った彩が、少年のシャツから手を離すと、彩の手のひらからクシャクシャに潰れた紙切れが宙を舞いながら落ちた。


「お姉さん、落としたよ?」


少年は舞う紙を掴まえて、彩に手渡す。


「…待ってる」


不意に、その紙切れに記された言葉が、聞こえてきた彩は、驚いて少年を見た。


「…って、早く行ってあげなきゃいけないんじゃない?」


少年はそう言って彩に笑いかけた。


彩は、次第に懐かしい気持ちになっていった。


彩には、少年が“ユウくん”のように思えたのだ。


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