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ショタコイ

第2章 ああ、懐かしい彼を想う。



少年はくすぐったそうに幼顔を歪めた後、彩の背中に手を回した。


「…俺を」


にわかに起こった一陣の風に、言葉を遮られた少年は、自らの乾燥したカサカサの唇を舐めて、


「…俺を買ってよ」


と、震える声で伺うように言い直した。


彩の中で、この誘いに対する選択肢はたった1つしかなかった。


「いいよ。」


意表を突かれて、目を見張る少年。


その目を見つめる彩。


きっと、この出会いは必然だった。


2人は、そう確信した。


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