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ショタコイ

第3章 さらば、かって愛した人よ。



「いいの…」


彩は、そばのテーブルに携帯を置いて、部屋の隅の、段ボールの山にいる少年に歩み寄る。


「キミだけが…私を待っててくれるなら。」


少年は荷を解く手を止め、彩の抱擁を受け入れた。


「…名前。」


「うん?」


少年の囁きが彩の耳元に当たり、彩はふっと表情を緩める。


「好きな名前、俺につけてよ」


彩は、一旦少年から身をはがし、じっと見つめたあと、


「ユウくん。」


と、少年を呼んだ。


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