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ショタコイ

第3章 さらば、かって愛した人よ。



「どんな漢字…?」


少年は彩を見据え、問う。


彩は、心を見透かされたような気がした。


今更、少年に対して申し訳ない気持ちが起こった彩は、


「理由の…由。」


と呟いて、少年の手のひらに指でなぞった。


“ユウくん”は、違う字だったが、少年自身を尊重しなければという少々の罪悪感から、この漢字をあてた。


「…ありがとう」


少年はうつむいて、おそらく微笑んだ。


彩は、再び少年を抱き寄せ、


「愛シテル、由くん。」


と呟いた。


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