
ショタコイ
第3章 さらば、かって愛した人よ。
「何年生なんだっけ?」
「小6」
「ふーん。」
幼いな。と、いろんな意味で彩は思った。
彩は初めの、1週間くらいのあいだは、由が自分のところに身を寄せるか不安だった。
心が移ろったとしても仕方がない。と、彩は腹を据えていた。
由に抱きつかれたとき、ようやく本当に由を手に入れたと思ったのだ。
そうして、自分が今まで、強く欲していた、温もりを彩は掌中に収めた。
由に触れられる度、“ユウくん”を思い出した。
由とすやすやと眠っていても、彩の夢に出てくるのは“ユウくん”だった。
彩は、それで満足だった。
このとき確かに彩は、満ち足りた気持ちだったのだ。
