
ショタコイ
第4章 手を伸ばせば、光に届きそうな心地だけ残った。
「ああっ!!くそおぉぉっ!」
男が、熱り立った様子で、帰宅した。
男は、兄夫婦から、資金援助を打ち切るといい放たれてしまったのだ。
大事な家の金を、放蕩息子に渡して霞に変えるのはもうこりごりだ。
男は、兄の言葉に何一つ言い返すことができず、その悔しさを抱いて、帰宅した途端に爆発したようだった。
「…」
幼い由は唖然として、リビングから真っ直ぐ先に見える男を見つめた。
男は、肩の震えが少し収まった後、顔を上げた。
由の背に、一筋の汗が流れる。
