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ショタコイ

第4章 手を伸ばせば、光に届きそうな心地だけ残った。


憔悴した愚かな獣が、目にもとまらぬ速さで由の目の前に跳んできた。


そうして、次の瞬間には、由の肢体が冷えたリビングの床に押し倒される。


「…ヒュッ…!」


由は、身の危険を感じて、悲鳴を上げようとしたが、喉の奥で息を吸い込む音が、ヒューヒューと通り抜けるだけだった。


由の上に馬乗りになった男は、何やらブツブツと呟きながら、涙を流した。


由はその異様な光景をまぶたの隙間から見つめ、ただ怯えるだけだった。


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