テキストサイズ

ショタコイ

第4章 手を伸ばせば、光に届きそうな心地だけ残った。



由が目覚めたのは、母が帰ってくる30分ほど前だった。


男の姿はもうなく、再び外出したようだった。


由は、男の最初の一撃で気を失ったのだ。


なぜか由は、男に殴られたことを、母に知られてはいけないと思った。


全身に痛みを感じながらも、由は立ち上がろうと手をつく。


そして、由は自らの手の甲が赤黒くなっていることに気づいた。


初めて見る、痛々しい気味の悪い痣に、由は驚愕を露にした。


「…な」


呟こうとする自分の唇からの出血。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ