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ショタコイ

第4章 手を伸ばせば、光に届きそうな心地だけ残った。



傷を隠しながらも、由は自分の身体中の異常な傷に気づいてほしかったのだ。


母は自分より、男の行方を気にしているようであった。


母が自分を見てくれなかった。


由はただそれだけが無償に悲しくて悔しかった。


由は声を押し殺して泣いた。


初めて声を出さずに涙した夜だった。


泣きながら、由は思った。


これから自分はどうなるのか。


嫌な予感がしていた。


こんな激しい暴力を振るわれて、今までと同じ明日が続くとは到底考えられない。


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