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ショタコイ

第4章 手を伸ばせば、光に届きそうな心地だけ残った。



由が案じた通り、男はそれ以来、頻繁に由に暴力を振るうようになった。


由は、男が暴力を振るう前の低い叫びに嫌悪感と恐怖心を抱いた。


ドラのような、ゴングのような。


とにもかくにも、由にとってその男の雄叫びは、試合開始の合図のようなものだったのだ。


殴られた。

蹴られた。

首を絞められた。

水に浸けられた。

口と鼻をガムテープで塞がれた。

数え上げれば、きりがない。

ひどいときは、連日、木刀で殴られたこともあった。

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