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ショタコイ

第4章 手を伸ばせば、光に届きそうな心地だけ残った。



いったい、なんのために自分は黙っているのか。


なぜ傷を隠すのか。


自問しながら、由はあえてその答えを出さず、先生にも友人にも黙秘していた。


学校は好きだったから、傷が目立たない日に行くようになった。


そんなある日、男が収納棚のような大きな箱を持って帰ってきた。


置く場所がない、と母にごねられていたが、結局ベランダに置くことになった。


その頃、由への虐待は日を追うごとにエスカレートしていた。


1日中、食事にありつけない日があった。

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