テキストサイズ

ショタコイ

第4章 手を伸ばせば、光に届きそうな心地だけ残った。



男がいなくなって、数週間ほど経つと、母はショックから少し立ち直り、


「もう一度…2人だけで、頑張ろう…」


と言って、涙ながらに由を抱き締めた。


由も母の涙にほだされ、母を守る決意をした。


“もう一度”


この時、由はやっと満たされたような気がした。


物心つく前に父が死んで、新たな父ができ、母に見捨てられた。


由はこの時、確かに傷だらけの今までの自分が報われたと思ったのだ。


母のか弱い背中に、初めて由はすがった。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ