 
鳴宮くんは悪い子‼
第2章 屋上で。
「どこ行ってたのよ、えみ‼」
美樹が頬をプクっと膨らませ、教室の前の廊下に仁王立ちしている。
「美樹、委員会だったじゃぁん」
「でもすぐ終わったのに、どこにもいなかったよー。もー」
ふてくされる美樹は、可愛い。
肩までしかないミディアムヘアーに、二重の垂れ目。
身長はそこそこで痩せ型。
くそぉ
いいなー
可愛い……
「あ、次クラ専だっ!じゃ、また明日ね‼」
今日はクラ専か。
毎週火・木曜日はクラブ専攻、通称【クラ専】と通常授業に午後から別れる。
クラ専の生徒は、それぞれのクラブに出ることで成績がつけられる。
でも私はクラブに属してないので、通常授業に出る。
美樹はバスケ部のマネージャーだから、クラ専だ。
「ぁ、うん。またねー」
ぽつん。と廊下に1人立つ。
いつの間にか他の生徒も専攻授業に別れ、校庭にはクラ専該当者の生徒の楽しそうな声が聞こえる。
 
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