鳴宮くんは悪い子‼
第4章 エロ魔神
ガチャ
お風呂から出ると、なんだか匂いがする。
香ばしくて、食欲をそそる匂いが。
「鳴み…」
キッチンには、合成写真のように似合わない行動(料理)をする鳴宮がいた。
「髪ちゃんと乾かしとけ。ほんとに風邪ひくぞ」
お母さん……
鳴宮、あんたお母さんだよ!!
あたしがナイチンゲールなら、あんたは銀座の母だよっ!!!!
「うんっ」
そして、私は料理する鳴宮に背を向け、出来上がる物に期待を膨らませながら洗面台へ行った。
* * * *
「あんた、人の皮被った悪魔?悪魔だよね、絶対」
「飯作るとは言ったけど、お前にやるなんざ一言も言ってねぇ」
「他人の家の食材使ったご飯食べながらなに言ってんの!?」
目の前には、カラフルなピーマンと豚肉を炒めた野菜炒め、暖かい豚汁、ホクホクの炊きたて白米!!
お腹がギュルギュルと私を責め立てる。
『おい!!早く俺の胃袋にその料理を詰めやがれ!!』
「風呂場までのタクシー代だよ」
あんたのタクシー会社は一週間もしないうちに倒産だよ。
「ったく。仕方ねぇな」
「やった!!いただき…」
箸を取りに食器棚へ向かおうとした瞬間、
「俺の料理、全部口移しな」
……………は?
何こいつ。ほんと、頭おかしい。
「やっぱいい。いらない」
「んなこと言うなよ。ほら、座れ」
引かれた手を、鋭く振り払う。
バシッ
「触らないでっ」