 
鳴宮くんは悪い子‼
第10章 やっぱり。
「……寂しかった?」
屋上でゴロンと寝っ転がり、煙草をふかす男に話かける。
「まさか」
無愛想に返事を返される。
もううんざりなの。
あんたに惹かれるのは。
「陸に、さっき告られた」
「へぇ。で?おめでとう?」
「断った」
「…………ふぅん」
私は寝っ転がる奴をちょんちょんとつつき、顔をこちらへ向かせる。
彼は、複雑な顔をして、
「なんだよ」
「あのね、私、鳴宮のこと気になるみたい」
「…………」
「…だから、断ったの」
返事は、ない。
「だけど、あくまでも気になってる程度で、付き合うとかは考えられない」
「で?」
「この前の、告白みたいなの、保留ね」
にっこり笑ってみせると、鳴宮は「ハァ!?」と
飛び起きた。
「あ、もう授業だ。またねー」
そして、私はぽかんとする鳴宮を置いて、屋上から去った。
 
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