テキストサイズ

二度目の恋

第2章 臆病な自分と、優しい彼と

バスタブに入浴剤を入れる。


泡が立ち、みるみるうちに透明なお湯がキレイなエメラルドグリーンに変わった。


人の気持ちもこんな風に簡単に変わったらいいのに、とかなみは思った。


バスタブに入ると心地よい熱さに体が包まれる。


「…立ち止まったままじゃ前に進めない、か」


頭では分かってる。

このままじゃ、何も変わらない。


前へ行きたくて仕方ないくせに、いざその場面になると怖じ気づいてしまう。


臆病な自分が、前向きな自分を押さえ込んでいる。


マル君…丸山和也がかなみを大事に想ってるのは、言われなくてもかなみ自身が一番実感している。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ