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二度目の恋

第2章 臆病な自分と、優しい彼と

二人の間に重苦しい空気が流れた。


「困らせて、ごめん。…行こっか」


そう言って、和也はクルマのエンジンをかける。


そうじゃないのに。

でも、まだ…恋に落ちるのが、怖い…


「…ま、マル君」


やっと声が出た 。泣きそうになるのをこらえながら、話し出す。


「あ、あのね…気持ちは嬉しい…でも、まだ、怖いの…その…恋することが」


「…怖い…?」


「…だから、ゆっくり…好きになってもいい?…」


やっとの思いで言うと、かなみは和也を見る。


じっと前を見ている和也の表情は何か考え込んでいた。


マル君は真っすぐに気持ちを伝えてくれたのに、私は…。


息をするのも躊躇うくらいの沈黙。


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