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二度目の恋

第3章 前触れ

改めて資料に抜けがないか確認し、バックへ入れる。


「じゃ、梨本さん本社行ってきます」


「ああ」


「…多分、帰り6時過ぎると思うので
スペアキー持って行きます。
事務所閉めても大丈夫なんで」


「…いや、持って行かなくていいぞ」


「…あ、今日残ります?」


「いや…」


梨本は周りに人がいないか確かめると


「…有村さん達には言っとくから、本社の打ち合わせ終わったら帰っていいぞ」

その言葉を聞いた和也の表情がみるみる明るくなる。


「…あざーっす!」

「かなみちゃんとデートして来いよ。まぁ、彼女も都合があると…」


都合があると思うんだけどな、と梨本が言い切る前に和也は事務所から出て行っていた。


「若いって、いいよな」


梨本はそうつぶやくと、自分の仕事に取りかかった。


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