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二度目の恋

第3章 前触れ

…和也の真剣な表情に翔は驚いた。


「…本当、それだけ言い切れるマルが羨ましいわ」


そう言って和也の頭をぽんとたたくと、嬉しそうに笑った。

女は恋をするとキレイになると言うけど、男にも言えるな。

翔の部署の女子社員達が来る度に騒ぐのもわかる。

今度、和也と飲み会をセッティングしてって頼まれたけど、はっきり断るべきだな。


「今度会わせてよ。その彼女」


「とりあえず、断る。かなみさんに惚れられても困るし」


「言うなぁ…」


ここまで言われると、苦笑いするしかない。

「ま、気が向いたらかなみさんに聞いといて。俺も彼女連れてくしさ」


翔はケーブルをまとめて、PCと一緒にケースへしまった。


「…俺、名前言ったっけ?」


「…言ってたぞ。『かなみさんに惚れられても困る』って」

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