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二度目の恋

第3章 前触れ

「…あれ?丸山さん、帰っちゃいました~?」


部屋にはいるなり、待ち構えてた女子社員が聞いてきた。


「…ああ。なんか急ぎの用事か仕事があるとか言ってたけど」


「工事部って、大変なんですね~
…じゃ、お先に失礼しま~す」


彼女は自分で言って納得すると、さっさと帰って行った。


和也は気付いてないが、設計部の他にも彼を狙ってる女子社員がいる。


ま、マルは彼女しか目に入ってないからアプローチかけられても気づかないだろう。実際そうだし


それにしても…。


『かなみ』って名前、久し振りに聞いた。


一瞬、知っている『かなみ』と思ってドキリとした。しかも、年齢まで一緒。


『かなみ』って名前は多い名前ではないが、珍しい名前でもない。


…ただの偶然だろう。


「…もう10年か。」

翔は呟くと、PCを立ち上げ、仕事に取りかかった。

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