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二度目の恋

第3章 前触れ

会社を出て、大通りへ向かう。まだ五時過ぎなのに外はもう暗くなっている。


〈俺は今終わった~ぶらぶらしてるから、終わったら連絡して〉


「もうそんな時期か」


かなみへメールを打ち、周りをみると通りに沿ってイルミネーションが点灯していた。


…かなみに告白した時もイルミネーションが始まった時期だったな。


「ゆっくり、好きになっていい?」


そう言われてから、もうすぐ一年。


端から見たら普通の恋人同士に映るだろう。実際、草野球チームでも「マルの彼女」として扱われている。


「本当にマル、かなみちゃんにベタ惚れだな~」


と、言われるが悪い気はしない。


ただ…付き合いが長くなるにつれて、時々虚しさを感じることがある。


自分だけが盛り上がっているではないか…


徐々にかなみも甘えてきたりしてくるときもあるが、どこか距離を置いている。

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