テキストサイズ

二度目の恋

第3章 前触れ

それと…

「まだ、恋愛するのが怖いの」

この言葉がずっと引っかかっている。


この言葉からして、過去の恋愛にトラウマを抱えているのは分かる。


まだ、怖いままだろうか…?


そもそも、彼女のトラウマってなんだ…?


一年近く一緒にいるのに、お互いに本心をさらけ出した事がない。


やっぱり、かなみは和也に対して、恋愛感情は持てないのか…


時々、気持ちをぶつけてしまいたい衝動になる。


そんなことをしたら、上手く行く可能性も、反対にこの関係が終わってしまう可能性もある。


そう思うと、もどかしい距離感を感じながらも、曖昧な関係 に落ち着いてしまっていた…。


結局、臆病なんだよな、俺…。


せっかく今から会えるのに落ち込んでどうするんだ、俺。


「久し振りにパルコでも見に行くか」


そう呟いて、和也は地下鉄の階段を降りていった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ