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二度目の恋

第3章 前触れ

「…俺たち、出会ったのが間違い
だったかもな」

あの時言われた言葉が、10年近く経つのに今しがた起こった出来事のように鮮明に再生される。

・・・もう、忘れなきゃ。
そう思っても、時折思い出してしまうのはなぜだろう?

晴れない気分のまま、地下鉄を降り、待ち合わせたタリーズに向かう。

通りに面したカウンターにいた和也が、入ろうとしたかなみに気付き、笑顔で手を振る。

「ゴメンね、待った?」

「いや、さっき来たとこ」

「私も買ってくるね。」

かなみはコートを椅子にかけ、財布を片手ににレジへ向かった。

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