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二度目の恋

第2章 臆病な自分と、優しい彼と

「…野瀬ちゃん、気付かなかった?さっきから宮崎さん、いたのよ」

その様子をみていた梨本かおるは笑いをこらえながら言った。


「…いつからいたんですか?」


「…え?帰ったぁ~?」

宮崎がかなみの物真似をする。


そこからいたのか…
「かおるさんも気付いたら教えて下さいよ~…はぁ」


はぁ…とため息をついてかなみはデスクに突っ伏した。


「まぁ、そう言うなよ。これでも飲め」

宮崎がかなみの横に缶を置く。


チラッと見ると彼女の好きな缶コーヒーだった。


いたずら好きが災いして、社内の一部から疎まれている宮崎だが、本当は人一倍気遣い出来る人だとかなみはおもってた。

「ほら、梨本も」

そう言ってかおるにも缶を渡す。

「ありがとうございま~す。あ、午後ティーのエスプレッソ。コレ好きなんですよね~さすが宮崎さん」

缶を開けて、飲みながら2人は片付けを始めた。


「…お前ら、コレで終わりか?」


「はい。今から野瀬ちゃんとご飯に行きます。ウチの課、今日ノー残業の日なんで」


かおるは笑顔を見せつつ嫌み混じりに返事する。


その嫌みに気付いた宮崎は、少し考え込む。


時計を見ると、もう8時近かった。


…かおるが嫌み混じりになるのも分かる。


「…急に悪かったな、2人とも。今日は奢るよ」


宮崎が提案すると、

「はい、ぜひ!」


かなみとかおるはとびきりの笑顔で答えた。


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