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一日一恋

第1章 はじめて

恋人ができるということは怖いことだ
大切な人ができるということ
支える人ができるということ
頼れる人ができるということ
幸せをくれる人ができるということ
だからもらった分だけ
支えること、幸せをあげること、そして一番をあげたいと思う
だけど溺れる
時間の限り一緒にいたいと思い
周囲の目に気付けなくなり
自分の何かを捨ててもいいとまで思う
そしていつか抱いていた一人の夢は輝きを失って
二人の夢が光を灯し始める
どちらも取れる夢を探せばどちらも失いそうで
気づいて立ち止まって
周囲の声を聞けば
自分の愚かさに気付く
一人で抱いていた夢が確かで現実的であっただけ
なりたくなかった自分になりそうで
幸せや愛に溺れる自分を嫌悪する
愛する人を傷つける
傷つけあってお互いを必要としない道を選ぶ
その道が正しかったのか
分からないまま夢を目指していく
俯いたまま歩いていく
それで夢を叶えられるのか
今の自分には分からない
今の自分は初めて感じる愛と幸せで
全てに迷う、立ち止まる、ダメになりそうになる
全てが暗闇になって
その暗闇が落ち着くとき
本当に自分が大切だと欲しいと思う
暗闇に仄かに光る原石を見つける
彼だと思う
そして彼が笑いながら抱く私の夢だと思う
彼はいつか私を捨てるかもしれない
私は彼をひどく傷つけるかもしれない
だけど彼が今は私を必要だと言うのなら
私がこの幸せを捨てたくないと思うなら
彼と夢、
どちらも勝ち取りたいと思うなら
今は頑張りたい、頑張るべきだと思う
彼を少しだけ我慢して
自分への努力という壁を厚くして
夢へ歩き出したいと思う
ここまでの自分は
本当に欲しいものを見つけて、知ることの旅路
これからは
本当に見つけた欲しいものを
彼と夢
その2つを手に入れるための旅路
そしていつか
あのとき諦めなくてよかったと
笑って振り返るための始まり

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