
BASE
第2章 ☆
上村葵13才
南中学校2年2組
女子バスケ部所属
気まぐれ&気まま&自由人
そんな私は、彼氏いない歴と年齢が繋がるけど寂しさなんて1ミリも無い。
だって友達がいるもん。
その友達の一人が気持ち良く寝ていた私を起こしたこの子
「次掃除だよ」
斎藤成海
バレー部所属
しっかり者だけどちょっとうるさい。
「葵今日雑巾でしょ。ほうき貸してよ」
「はーい」
私は力の無い返事をしてT字ほうきをぽいっと投げた。
「サンキュ」
「あーめんどくさ」
私はぼっさぼさの雑巾をばっちい持ち方して水道へ歩いた。
行きと同様、帰りに1組の前を通る。
一人の男子が目に入った。
手にはT字じゃない普通のボロいほうき。
それをバットのように構えて目を光らす。
目線の先には、私に背を向けて立っているピッチャーらしき者がいた。
「ピッチャー第一球…」
黒板の前でほうきを担ぐように持った男子が叫ぶ。
「投げましたっ!!」
ピッチャーがボールの代わりの黒板消しを勢い良く投げた。
そしてそれは一瞬にして私の目の前に飛んできた。
「ぶっっ!!」
「あっ…!」
廊下にいた私の真後ろの壁にもたれ掛かって倒れこんだ。
知らない男子の声が近付いてくる。
あれ?成海が慌ててる時の甲高い声だ。
目の前が見えないまま、私は気を失った。
