愛恋縁一方的愛情劇
第1章 遊び人は凶暴な狼
放課後、僕の楽しみの時間。
読書をするために、図書室へ向かう。
図書室につくと、やっぱり人はまばらに居るぐらいで、毎日通ってるのは僕ぐらいかもしれない。
「ぁあッ…」
…
…?
僕は図書室のカウンターの所で立ち止まる。
今の…何?
女の子?
…喘ぎ声…だ…よね?
「んッはぁんッ…惇ッいいッ」
…惇君が、女の子を抱いてるんだ…
何でこんな間が悪いんだろう。
…惇君が居るんじゃ僕は帰るしかないか…
僕は本を手にとり、また来た道を帰ろうとしたとき、
カタン…
足元のゴミ箱を蹴ってしまった。
「…誰?」
惇君の声が聞こえてきた。
僕は構わず逃げ出した。
病院からあんまり走っちゃいけないって言われてるけど、僕はあの気まずい空気に耐える自信がない。
ゼハゼハと喉が悲鳴を上げる。
苦しくても辛くても、僕は走りつづけた。だって、後ろに視線を感じたから。
…にしてもさすが遊び人の惇君。
毎日告白されてるんだよね。
女の子からはお金を貰えるうえに抱けるってじまんしてた。
……なんで…図書室なんかにいるんだよ…
意味分からない。
僕の唯一の居場所って知った上でやってるのかな…。
嫌がらせ?
でも、誰も僕が放課後図書室に居るって事は知らないはずだし…
無我夢中で走って、近所のコンビニに逃げるように入り込んだ。