愛恋縁一方的愛情劇
第1章 遊び人は凶暴な狼
チュッ…
「んッ…」
声を出してハッと口を抑える。
荒い息の主は、僕のうなじにキスをした。
しかも、舌を付けるように舐めるように。
ゾクゾクと全身に鳥肌が出てくる。
「ふッ…ひ…ぃ」
荒い息の主は、どんどんエスカレートしていき、ついには僕の腹に腕を回して引き寄せられた。
相変わらずうなじにキスは止まらないが、きっと荒い息の主でうなじはビショビショだろう。
「ゃ…ぅ」
窓ガラスに付いている僕の腕がガクガクと震える。
これは…痴漢…?
でも、僕男だよ?
僕ったら、男のくせに痴漢されてるの?
不意にグイッと方向転換させられると、顎を掴まれてキスをされる。
「んッ?…んッ!!」
目を必死に閉じて、痴漢の胸を叩く。
薄目を開けてみた…そしたら、…惇君がいた…
「な…んで…」
僕が間抜けな顔をしていると、惇君は意地らしく笑った。