
不器用なアナタのそばに…
第1章 彼らとの出会い…
「瀬名(セナ)てめっ、………ふげぇ!」
夏樹はさらに強く蹴られ、みきを支えてた手をすぐに離した
『…っ…』
「…すまないな、夏樹も悪気があって言ったわけじゃないんだ…」
瀬名と呼ばれた男は夏樹を蹴り続けながらみきの頭を優しく撫でてきた
『は、はい……』
「…俺は瀬名だ、よろしくな…」
そう言って瀬名は微笑んだ
「…っち、次々と」
不機嫌そうに顔を歪めて蓮は腕を組んだ
「ってぇーな!何すんだよ瀬名!」
「…うるさい、初対面でこの子を傷付けてどうするんだ」
呆れた様子の瀬名に夏樹は蹴られていた背中を撫でて口を尖らせた
「ちぇー………あ、そういえば総長ぉ」
「あ゙ぁ?なんだ」
「みきってさ、いわゆるみんなの性欲処理になっちゃうんだろ?」
夏樹の問いに蓮は顎に手をあてて少し考え、そしてニヤリと笑って答えた
「いや、俺様だけのにする」
「えっ、それってずりー!」
「俺も反対だ…」
「…フン」
蓮は乱暴にみきを引っ張って抱き寄せると言い放った。
「俺はコイツが気に入ったんだ、邪魔はさせねぇ」
髪にキスをされ、みきは蓮の胸板を両手で押した
『やっ…、離して下さ…//』
「ほら、みきだって嫌がってんじゃんっ」
「それはてめぇも同じだろうが」
蓮が素早く言い返すと夏樹はゔっ…とくぐもった声を出して顔をひきつらせた。
