
不器用なアナタのそばに…
第1章 彼らとの出会い…
「…と、とにかく総長のだけなんて駄目!」
「んだと!?もう一回言ってみろ!」
『(っ…私、物じゃないのに……)』
二人の言い合いの中、気まずそうに俯いてみきがそう思っていた時―、
開けっ放しだった扉の向こうに怒った顔の尚吾の姿が現れた
「ちょっと!何大声出してんのさっ」
尚吾の姿がみきには一瞬天使のように見え、みきはなんとか蓮の腕から逃げ出す
『…尚吾さんッ!』
「え、みきちゃん!?その格好っ…」
みきがシャツ一枚になっている事に少し驚きながらも尚吾は半泣きで走ってくる彼女を優しく抱き止めた。
『……っ…』
「大丈夫かい?寒くない?」
落ち着かせるために背中をさすってくれる尚吾にみきは小さく頷いた
『……はい…(さすがに少し怖かった…)』
