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ヒーロー

第4章 勧誘

「みんなから城川さんって呼ばれてるんだけど、それも本名かは怪しいのよね。 ついでに、年齢も不明。 本人に訊いてもはぐらかされるし」


「・・・ふ、冬でも、あんな格好なの?」


紗綾が前を向いたまま頷く。


「そう。 しかも、年中短パン。 信じられる?」

呆然として、小さく首を振る。

「それで、叶斗くん・・・うーん、なんかこれ、言いにくいな」

紗綾が首を傾げた。

「なんか言いやすい名前ないかなぁ・・・あだ名とかさ」

「・・・あだ名」


あだ名で呼ばれたことなんか、なかったな・・・。


何も言えずに黙り込んでいると、紗綾がパン、と手をたたいた。


「カナくん!」


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