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ヒーロー

第1章 少年

少女たちの声が遠ざかって行く。


目を閉じた。大きくため息をついた。


僕は、暗い。 見た目まで陰気だ。


一度も染めたことがない髪は真っ黒で、前髪は目を隠すくらいに伸びている。

あまり外に出ないせいで、肌は白い。

背は、高い方。 だから、よけいに不気味に見えるのかもしれない。




昔から、そうだった。



いつも端っこにいて、楽しそうなみんなを眺めるだけ。 自分から話し掛ける勇気なんてないし、話しかけてくれても、緊張して何も話せない。



友達と呼べる人なんて、ひとりもいない。



寂しさを紛らすように絵ばかり描いていたら、周りからは『絵が友達』『ネクラ』と蔑まれるようになった。




・・・この先、人生の時間はたくさんたくさん残っているのに。


僕は、何をしているのだろう。



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