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ヒーロー

第5章 決意

「・・・お前、まさか紗綾が入るなら俺も〜♪ なんて思ってねぇだろうな」


城川さんが訝しげに目を細める。


・・・鋭い。 でも、理由はそれだけじゃない。


「美術室の道具とか・・・自由に使わせてくれるなら」


「あぁ、大丈夫だろうよ。 んじゃ、これに書いて、出しに行けよな」


城川さんはそういうと立ち上がり、食堂を出ていった。

僕はいつもスケッチのために持ち歩いているシャーペンを胸ポケットから出して、入部届けを書いた。


『【入部届】
 クラブ:美術部
クラス:2年3組18番
氏名:倉橋 叶斗

 上記のクラブに入部することを希望致します』


・・・どうか、変われますように。




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