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ヒーロー

第5章 決意

「失礼しまーす・・・うっわ、ホコリだらけ!」

紗綾がゲホゲホ、とむせた。

ドアを開けた瞬間、埃がブワッと広がった。

キャンバスや椅子、机は埃を被っていて、絵筆は流し台に散らばったままになっている。

部屋の天井には蜘蛛の巣。


「・・・」


僕は肩についた埃を払いながら呆然と美術室を見渡した。


「想像以上にひどいね〜・・・」


紗綾がため息をつきながら長い髪をかき上げた。

「・・・ここ、全部掃除しないと使えないね」

「だよねぇ・・・あー、ユーウツ過ぎる・・・」



「あの、何してんすか?」


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