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どらくえ3

第2章 岬の洞窟からナジミの塔へ

草原に道が続いている。

イースの後を俺は歩いている。

イースはアリアハン兵団の中では若手だが、その剣の腕や胆力、人柄から王様の信頼は厚い。

俺もはっきりいってイースが一緒に旅をしてくれて安心している。

町から岬の洞窟までは2日程の距離だ。

旅慣れていない俺はイースについていくのが精一杯だ。

俺だって体力には自信があった方なのだが。

「昼飯にするか」

イースが俺の方に振り返って言った。

少し丘になっている場所でイースは立ち止まると、道沿いの岩に腰をおろした。
「いい景色だな」

俺は草原越しに遠くアリアハン山脈が見える景色にそう言った。

「アベル、景色もいいが、なぜこの場所で休憩したかわかるか?」

イースが問う。

「え?」

何も考えていなかった俺は戸惑った。

「ここはな、身を隠す場所のない草原でも、回りを見渡せる場所だ。敵の接近をいち早く知ることができる。」

イースは俺を見ながら続ける。

「旅をするときは油断大敵だ。自分の判断や一挙動が生死を分ける。出きる限り頭を使って危険を避け、優位に立つようにしろ。」

俺はイースに教えてもらって

「わかった、ありがとう」
と素直に礼を言った。

イースと一緒にいなければ早々に不意討ちをされていたかもしれない。

「ま、俺もまだ経験が少ないから抜けもある。お互い助け合っていこうぜ」

イースはそう言って笑った。

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