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しかし天照は猫のように体を捻ると、すんなりとラチェッタの拘束から脱出した。

天照は地面を蹴り上げその場を離れると、体についた砂埃を叩き落とした。

「まいっちゃうなあ、流石の強さだ」

そう言った天照の体の関節がボキボキと音を鳴らすと、たちまち天照の体が一回り小さくなったように感じた。

天照はリズムをとり始め、彼の両手には薄い赤色の魔法が取り巻きだした。

ラチェッタはマチェットを握り直しながら呟くようにしながら言った。
「まずいな、奴が覚醒しやがった。」

覚醒？
それは一体なんなのだろうか？

天照が大地を蹴り上げた拍子に天照とラチェッタの距離が急激に縮まった。
いや、地面が「縮んだ」。

ラチェッタは左手を前に突き出し、短い術式を唱えた。

たちまち左手から黒雲が吹き出し、彼の居る地面から土が盛り上がり、彼の体を覆った。