
あたしのご主人様!
第2章 ご主人様とピンクローター
メールの主な内容は、もちろんSM。
自分にメールを送ってきた経緯とか、どうしてSMに興味を持ったかとか、特にどんなプレイが好きかとか、経験はどこまであるかとか。
こう言うとシュウとのメールはすごく変態チックな内容に思うかもしれないけれど、実際はそんな感じはほとんどしなかった。
聞いてくる内容が事務的で、いやらしい感じはない。メール越しに写メやエッチな画像を要求してくることもなかった。SM関連以外でプライベートなことを話題に出されることもなかったし、電話や会うことを強要されたりもしなかった。
だからあたしはあまり抵抗なく、自分のSMに対するあれこれを、正直に話すことができた。
興味があるけれど、具体的に何が好きかと問われてもわからない。経験もほぼない。してみたいと思うけれど、怖い。
自分の気持ちを素直に打ち明けた。
『俺とそういうこと、してみる?』
変わらず絵文字のない淡白なメール。
どきりとした。シュウのことを信用していないわけじゃない。メールだけのやりとりだけど、初めて連絡した日から、すでに三ヶ月近く経っていた。
