
あたしのご主人様!
第2章 ご主人様とピンクローター
そして、会う約束をした、当日の日曜日。
待ち合わせの時間は午後の三時。場所は喫茶店だった。
あたしは十五分前には喫茶店に到着してしまって、車の中でそわそわと、携帯を確認していた。
あたしの服装は、午前中のうちにメールで伝えている。同じくシュウの服装も教えてもらっていた。
待ち合わせ場所に到着したことを、メールで伝えるべきか迷ったけれど、まだ約束の時間にはなっていない。
相手を急がせてしまうだけだと思って、あたしはおとなしくシュウからの連絡を待つことにした。
シュウからは、意外に早く連絡が来た。あたしが喫茶店に着いてから数分。
『着いたよ』
相変わらず淡白な用件のみのメール。
あたしはその文面を確認し、慌てて車から降りた。辺りをぐるりと見渡し、メールで教えてもらった、緑のTシャツに薄手のジャケット、ジーンズの男性を探した。
けれど見当たらない。もう一度ぐるりと見渡そうとした時。
ふいに後ろで、車のドアが開く音がした。
緊張と共に、音のした方を振り返る。
男性が一人、車から降りてくるのが見えた。
