
あたしのご主人様!
第3章 ご主人様とピンクローター 2
まるで他人ごとのようにしれっとした顔で言うシュウに、あたしはムッとしてしまう。
あたしの下着をこんなふうにしたのはまぎれもないシュウなのに。
自分はちゃっかり、あたしに全部飲ませたくせに。……勝手に飲んだのはあたしだけど。
あたしは車でのあれこれを思い出し、また顔を赤くさせていた。
「……なに百面相してんだ? 行くぞ、買い物」
シュウはあたしの手を取った。びっくりして固まるあたしの手を引き、歩き出す。
中のおもちゃの違和感はあるけれど、振動がない分ほとんど支障なく案外普通に歩くことができた。
それよりも、手を繋いでいる今の状況が落ち着かない。
シュウは、本格的な主従関係を、そういうふうに振る舞うことをあたしに求めてこない。喫茶店での約束を、きちんと守ってくれていた。
敬語も使わなくていいというし、お互いの呼び方も名前。だからまだ調教の最中だとしても、こうやって手を繋がれショッピングなんかしているとお互いの関係を忘れてしまいそうになる。
「腹減ったなー」
「…………えっ」
