
あたしのご主人様!
第3章 ご主人様とピンクローター 2
なんとなくそわそわそわそわしてしまっていたあたしは、シュウのつぶやきで我に返った。
「先昼食お」
「うん」
たくさん喘がされたから、お腹もすいたし何より喉が渇いていたあたしは、頷いた。
リオンの中は暖房が効いていて、さらに人の熱気もすごいから歩きまわる前に少し休みたいというのもあった。
でもここはまだできたばかりの場所で、まだ一度しか来たことのなかったあたしは食べ物屋さんがどこかもわからない。
一階をシュウに先導されるまま歩いているが周りには洋服屋さんばかりだった。
「どこにあるの? 食べるとこ」
「こっち」
迷いもなく進んでいくシュウは、ちゃんと場所を把握しているのだろうか。
「……ここよく来るの?」
「いや、二回目かな」
「一緒だ。よく迷わないね」
「愛華と違って方向音痴じゃないんでね」
「あっそ」
いちいち言い方が嫌みっぽい。
「手、離してよ」
「やだ」
離すどころかさらにぎゅっと力を込めて握られ、戸惑う。
「なんで?」
「ちっこくて、はぐれそうなんだもんおまえ」
「もう子供じゃないんで大丈夫です!」
