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Memory of Night2

第2章 春


「だけどモデルなんて性に合わねーし、一回に数千円もらえればいい方だし、本当は普通のバイトしたいんだけどな。……止められてるから」

「それは君の普段の行いが悪いからだよ」


 晃は鞄の中の荷物を確認しながら悪びれなく言う。

 宵はわずかにむっとした顔で晃を睨むが、事実であるため何も言えなかった。

 コンビニなり飲食店なり他のものであり、学生が普通にするようなアルバイトは弘行に禁止されていた。

 理由はおそらく、志穂の手術費用を稼ぐために昔いろいろ無茶をしてきたからだと思う。

 体を売って金を稼いでいたことは、弘行にももちろん志穂にも打ち明けていない。これから先も秘密にしておくつもりだった。

 その分の金をアルバイトで稼いだことにしていたから、相当ぎっしり働いていた計算になり、無茶をしていたと思われているんだろう。

 どこで働いていたのかしつこく問われ、時給のいい居酒屋で深夜のバイトをしていたとごまかしたのはつい最近のことだ。


「実際、高校に入りたての頃まではバイト三昧だったんだろう?」

「まあ、いくつか掛け持ちはしてたけど」

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