
Memory of Night2
第4章 同居
晃の母親が用意してくれたパスタとグラタンを四人で食べ、それからとりとめのない話をし、二人が三階にある晃の部屋へとやってきたのは二時を少しまわった頃だった。
もともと宵が晃の実家を訪ねたのが一時頃で遅かったのだから、もっとのんびりしていればいいものを、晃は早々に話を切り上げ自室へと戻ってしまう。
部屋の前にはローマ字で『Akira』と入ったネームプレートがいつもかかっているはずなのに、今日はそれがなかった。
違和感。もう外してしまったようだ。
だが晃はそこに触れることもなく、ドアを開けて宵を部屋へと招き入れた。
白と緑が基調の、清潔そうなインテリア。宵が来るたび、いつだって綺麗に片付いていたはずのそこは、今日は酷く散らかっていた。
参考書や雑誌、ゲームソフトや服などが散らばり、床がほとんど見えない。部屋の隅にはダンボールも置いてあった。
「……こうして見ると結構物多いんだな」
普段は小綺麗に片付いているため、六畳の部屋がずいぶん広く思えるのに。
「収納が上手いから、俺」
「自分で言うなよ」
