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Memory of Night2

第4章 同居


 ズクン、と体の奥が疼いて、宵は両手で晃の胸を押した。

 顔を逸らし、つぶやく。


「……長すぎ」

「もしかして、反応しちゃった?」


 晃の瞳に意地悪な色が宿る。

 宵はかぁっと顔を真っ赤にさせた。


「ちが……」


 言いかけた唇をまた塞がれる。

 今度のキスは激しかった。

 舌を差し込まれ、容赦なく口腔を蹂躙された。


「ん……ふっ」


 同時に胸元まで弄(まさぐ)られ、本格的に焦る。


「親、いるんだろーが……っ」


 それでもなんとか肩を押しやり、声をやや上擦らせながらも、きいた。


「いるけど。一階にいれば多分聞こえないよ。一階にいるのか二階にいるのかわからないけど」


 階段を上ってくる音がしなかったので、三階にいる確率はまずない。

 それは宵にも推測できた。

 けれども、もし二階にいたら声や音が聞こえてしまうかもしれないし、最悪真下の部屋にでもいたら、ベッドの軋む音まで響く。


「なら、やっぱ今日は……」

「うん、だから、今日はあんまり激しく動かないでね」


 宵は瞳を大きく見開く。

 反論しようとした唇を塞がれ、胸元への弄りを再開されれば逃れるすべはなく、観念して強く瞼を閉じる他なかった。

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