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Memory of Night2

第4章 同居


「けど、そんな無いと思うぜ、枚数。写真なんて、大きなイベント事の時しか撮んなかったし」

「別に構わないよ」


 晃は首を振った。それから目を細めて笑う。


「きっと女の子みたいに可愛かったんだろうな」

「……どうだろなー」


 アルバムなんて、もう何年も見ていない。昔の自分の姿も、あまり覚えていなかった。どこにしまってあるのかすらわからない状態なのだ。

 ふいに晃が宵に視線を戻し、口を開いた。


「ねえ、宵。一つ聞いていいか?」

「んー?」


 宵は間延びした声で返事をした。

 仰向けに寝返りをうち、天井を眺める。そうして瞼を閉じれば、ほんのつかの間遠ざかっていた眠気が、波のように押し寄せてくる。


 その波に身を委ねながら、晃の次の言葉を待った。

 だが次の言葉はなかなか発せられず、焦れた宵は薄目を開ける。

 晃は、何かを躊躇しているような、そんな表情をしていた。

 そんな顔を、最近よく見る気がする。


「……なんだよ? 聞きたいことがあるならさっさと言えばいいだろ?」

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