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短編BL小説  いろいろ。

第4章 クリスマス

街は綺麗なイルミネーションで彩られ、眩いほどの光で溢れているこの時期。

今年も友人たちと過ごすくらいしか予定がない伊織(いおり)は、頬杖をつきながら外を見下ろしていた。

通りすぎる幸せそうなカップルに、自然と目がいってしまう。






「はぁー…。なんか切ないな…」






ぽそっと呟いたつもりだったのだが、運悪く後ろを通りかかった後輩に聞かれてしまった。





「あれー?先輩、彼女いないんでしたっけ?」





煩いのに聞かれてしまった、と額にてをやり伊織は軽くため息をつく。
職場の後輩の敦也(あつや)は、いつものように元気に聞き返した。

僕も別れたばっかなんですよ~と敦也がコロコロ笑う。

またすぐに出来るから良いよな、と伊織は心の中で呟いた。
敦也は誰が見ても爽やかな、イケメンだ。

ネクラな冴えない自分とは違う、と伊織は苦笑する。

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